Tさんに案内されるまま、次の目的地へ向かいました。
「ほんとは、ここが一番見てもらいたいところなんです。さあ、つきました。ここは、
ちょっとわかりにくいところなんで、入り口まで私が案内します。」
Tさんに連れられて、ヤシの木(だったかな)の並木を抜けるたぁ、おおきな慰霊碑があ
って、ほの横に、鍾乳洞みとぉな洞窟(ガマ)がありました。
T 「ここが、ひめゆり部隊が最後まで負傷者などの救護を行ったところです。
で、よく、ひめゆりの塔って言ってますが、その塔がどれかわかりますか。」
わい 「え、ひめゆりの塔ね。そこの大きい奴かなと思うんですが、ひよっとして
この小さい奴ですか。」
T 「そうです。よくわかりましたね。みんなそこの大きい石碑をひめゆりの塔
だと思って写真取ったりしてるけど、実は、ガマの横に小さい石を置いてあ
るでしょ。それがひめゆりの塔です。」
三人 「・・・・。」
はっきり言うておぶけました。もっとおっきょいもんやと思とったのに・・・。もっとも
これにもいろいろと理由があるっちゅうことでした。
実を言うたらひめゆり資料館の入り口に近づくにつれ、なんともいえない重い感じを受け
たんです。なんちゅうか、重苦しい、というか、空虚とでもいうか・・・。辺り一帯、重い
空気を感じました。ほんで、ほれはだんだんと強おんなって、ガマの中をのぞき込んだりし
とりましたが誰ぞがおるような感じがずっとしとりました。、
ほんで、普通やったら、観光名所と言うことで石碑の横で写真を撮るとこやのに、なんで
かこんときばっかりはためろうてらってしもたんです。他の2名に聞いてみました。
二人 「写真、どないするん?」
わい 「うん、とってもええんやけど、ちょっとなぁ。」
「・・・・。」
Tさんも、写真のことで、耳打ちをしてくれました。
T 「ここは、いろいろと曰わくのあるところだから出来るだけガマとかの写真
は取らない方がいいですよ。」
わい 「それって・・・、何か(オバケ)が写るって事ですか。」
T 「まあ、そういうこともあるけど、いろんな団体の人が大勢いるからね、ここ
は。写真を取り上げられたりとかいろいろ聞いているんで、何かとトラブルに
なるような写真の取り方はやめた方がいいですよ。」
実際、、カメラを持っとる観光客はようけおりますが、やっぱり、場所が場所だけに写真
を撮いよる人はほとんどおりませんでした。ほとんどの場所が撮影禁止だったり、ためらう
ようなとこだったんです。
T 「まあ、でもせっかく来たんだから、そのひめゆりの塔位の写真なら撮って
も大丈夫だけど、どうします。」
わい 「そうですね。でもやっぱりやめときます。資料館をバックに撮ったら問題
はないかな。」
T 「それなら問題ないですよ。じゃ、私が写真撮りましょうね。」
入り口で入場料を支払い、中へ入ったんですが、ほの中に展示されとるもんは、原爆資料
館に匹敵するようなもんばっかりでした。
部隊で命を落とした方々の遺影、当時使われた医療器具、薬品類等々。ほんまにこんなも
んで治療やかい出来たんか、って思うほど粗末なもんでした。
しばらくんだら、部隊の生き残りの人が当時の体験談をお話しとりました。ほの中には、
シスターとかもおって、ああ、やっぱり人道的なことには宗教やかい関係ないんやな、と思
て、遠巻きに語りを聞っきょったんですが・・・。
わいやがほこを通り過ぎようとしたとき、その語りべの人が、急にこっちへ視線を向けた
かと思たら、妙なことを言ったのです。
「(突然語りをうち切り)・・・・。じゃ、とりあえず話はこのあたりにして、後の
お話しは後の方においてある手記の方をご覧ください。」
(そして、あわただしく壇上から降りてシスターに歩み寄り、ひそひそ。そして、私
達の方を指さし・・・)
「あの人には憑いている。そばにいてあげないと・・・。うん。そのままではあまり
よくない・・・」
くりや、わんくるや、一体何あびとーが、やる感覚やいびたん。まさか、わったー誰やね
ーらぁ、指ささりゆん先をたどりゆなぁ、! 私達だけしかいない。これは一体どういうこ
と? 我々のことか? 取り憑かれるって一体誰に、と疑問に感じたのです。
(くりん事書ちとめねぇまたあまくまからありんくりんむのいいさびーんさい。)
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