旅のお話その21





     入り口付近に来ると、Tさんが、違う方向に向かいます。どうしたのかなとつ
   いていくと、階段になんだかでっかい焼き物があります。そう、巨大なシーサーで
   した。





     「これ、なんだかわかりますか。」
     「ああ、シーサーですね。国際通りにもありましたね。」
     「はい、よく知ってますね。これもシーサーです。まぁ、一口に言ってもいろ
     んな種類がありましてね。また、民家の屋根とかに乗ってますのでまた後で説
     明しましょうね。」
     
    入り口にシーサーがあったので、そこで写真をパチリ。ホント観光客だね。僕達。

    入って、ついていくと、なにやら古ぼけた建物が見えてきました。ハブ資料館で
   す。建物の中に入って窓口へ行くと、窓口のおばさんが
   
     「大人○○円になります。」

   と言いました。

    いや、実はこのときまで、Tさんが「○○円でます。」と言っている、”でま
   す”の意味がよくわかっていないのでした。なんとなく、必要経費のことだろうな
   あ、とは思っていたのですが、このとき、料金の請求を受け、その数字が、Tさ
   んの言う、”でます”と言っていた数字と同じだったので、理解できたのでした。 

    なんだかわかったようなわからないような感じで建物の中に入っていくと、ハブ
   についての説明が書かれたパネルがあります。このときまで知らなかったことです
   が、蛇って、すばしっこいと思っていたのが、それが間違いということにいまさら
   ながらに気がつきました。

    いわゆる毒蛇というものは、その「毒」という強い武器を持っているがために、
   敏捷性に劣るそうで、仮にまむしやコブラのたぐいは、発見しても、ことさらに刺
   激しなければ襲いかかってくることはないし、また、攻撃してきても、体長の半分
   程度しか範囲がないそうだそうです。ただし、熱に対して反応するので、不用意に
   近づくのは危険ということです。
    ところが、ハブは、「目にも留まらぬ速さ」ということを、掲示板に強調して書
   いてあります。
   
    そんなこんなで、ハブの資料館を出ますとイベント広場がありました。というか、
   イベント広場を抜けないと外へ出られない構造になっているんですが、なんでも蛇
   とマングースのショーがあるとか・・・。
    まあ、せっかく来たので見ていくことになったんですけど、動物愛護団体の圧力
   が強くて、また、条例が変更になったとかで、昨年から「決闘」はなくなったそう
   で・・・。

    まあ、以前に見たことのある者の話では、蛇とマングースをつっついてけんかさ
   せるらしいんですけど、なんだかかわいそうだったとのことでした。また、担当さ
   んの説明でも、滅多に見ないコブラだから、マングースだからお互いに敵対し、攻
   撃するのだそうですけど、幾度と無く顔をつきあわせていると、だんだんと相手を
   覚えるようになり、自然とけんかしなくなるのだそうです。

    まあこれに関しては、動物に限らず、人間も同じことがいえそうですね。

       「じゃ、私がはいれるのはここまでなんで、後はみなさんで楽しんでくだ
       さい。
        パイナップルとか、よおく見ておいてください。あと、エイサーとかも
       やってるはずですから。時間もちょうどいいんじゃないかな。私はさっき
       の駐車場でいますから。それと、食事の関係があるから、12時30分く
       らいをめどに戻ってきてくださいね。」

    マングースの会場を抜けると、そこは玉泉洞の入り口でした。

 

(続く)



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最終更新日 2001.1.17