旅の話その14





    天空からの放射をまともに受けもって、三越にたどり着きました。

    玄関のドアを開けて中にはいったぁ、きしょくのええ冷気がわいの横を吹き抜けていっきょります。

     「あぁ〜。きもちええ。生き返った〜。」

    いやあ、ほんまに生き返りました。深ぁに深呼吸して、そそくさとエスカレーターのほうぃい
   きます。
    ほんで、店内をきょろきょろしもって(はい、わいはおのぼりさん)7階に上がりま
   した。で上がったんはええんやけど、だれもおれへん。おかしいなぁ〜。周りを見渡してもどこ
   にもおれへん。で、子供の遊び場らしきもんも見あたられへん。

     「あれぇ、おっかしいなぁ。確か7階っていよったんに、聞きまちごうたか・・・。」

     仕方なしに、またエスカレーターを降りていきます。
     結局1階まで降りたんやけど誰もおりません。
 
     ここで便利な携帯電話。むふふ〜。

     「はいはい。○○です。」
     「ああ、しんちゃんやけんど、どこにおるん。7階まで行ったけどおれへんでぇ。子供
     の遊び場ってどこなんえ。」
     「えー、わからんてで。しゃあないなあ。でおまんはどこにおるんで。」
     「あぁ、一階よ。」
     「ほなまた上がってきてだ。わかりやすぃとこぃ出とっけん。」
     「エスカレーターんとこでおってくれるで。」
     「ほな、でとくわ。」

    上がっていったぁ、ああ、おったおった。案の定、顔が真っ赤です。えらい日に焼けとります。
    案内されていったぁ、なんやらスロープを抜けて、ずいぶん見通しの悪いとこにドアがあって、
    ほこをあけたぁ、なんや、こんなところに子供の遊び場が・・・。
     同僚数名がいすに腰掛けとりますが、目でこっちを見て挨拶するだけで体を動かそうとし
    ません。皆一様に顔が焼けています。もちろんもうぐにゃぐにゃにひんけてしもうとります。
     その中の一人がわいに向こうて、

     「あれ、あんまり焼けてないなぁ。どこにおったんえ。」

    これに対してわいの返答は、 

     「いやいや、アーケードや本屋でおったけんな。」
 
    わいは、市場通りを歩いて、自分が体験したことを簡単に説明しました。けんど、どうもみなあ
   んまり反応がありません。ほう思いよるうち、一人が、

     「いや、あんまり熱いけん、外歩けんよぉんなって
     な。みな、熱中症になりかけよ。ちょっと休んでい
     けへんで。」
     「ああほうで。ほりゃかんまんけど、すぐかえるっ
     ていよったんちゃうん。」
     「まあ、ほないあわてることないでぇ。」
     「まあほれもほうじゃな。」
 
    とりあえず、また自販機へ。スポーツドリンクに手がのびます。一気に飲み干すと、メンバー
   の一人がにやにや。

     「はは、どこはいっていっきょるやわからんだろ。」
     「ほーやな。マジであついな沖縄って。もー1本飲んだろや。」

    結局、この日何本ジュースの類を飲んだんだろ。
    もう6本目ぐらいにはなるなあ。

    白いいすに腰掛けて体を休めます。ほんで、さっき読んみょった本の言葉を心の中で復唱しより
   ました。
    実は、こんとき試してみたいことが頭の中にわき上がっとったんでした。
    うちなーんちゅのタクシー運転手に、方言で話しかけたらどんなんだろか。標準語で話すよりは、
   かなり有用ではないんだろか。ほんなこと考えよったら、テーブルん上に置いてあった本に同僚が
   手ぇ伸ばして読んみょります。でも、10秒もたたんうちに

     「おまえ、めんどい本読んみょるなあ〜。書いとぅことがいっちょもわからんぞ。」

   と、捨てぜりふを吐いて、またテーブルに置いていました。まあ、しかたないよね。????あれ、
   なんかにーぶいやしが・・・。zzz。ぐぅ〜。

(続く)



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最終更新日 2000.09.21