本屋に入ったのですが、最初に入ったところは、私が目的とする本はありません
でした。
「ふぅ、どうもここにはないなあ。」
店を出て、さらに県庁の方に進みます。すると2軒目を見つけました。中に入っ
てきょろきょろ。うろうろ。
入って右の方に、「郷土」と書いたコーナーがある。
目を凝らして題目を追います。っと、おおっ、あるぞあるぞ〜。観光名所関係の
本に埋もれるように、2冊の本を見つけました。
一冊目を手に取ります。題目を忘れてしまいましたが、表紙を開いて中を見ると、
終始例文と発音記号の羅列です。そして説明がいささか堅めです。
「ん〜。詳しいのはいいが、どうも初心者向けではないなあ。」
(今から思うと、あれが「沖縄語の入門」だったのか?)
うちなー初心者の私には荷が重いかな、と感じ、ため息混じりで本棚に戻す。そ
してもう一冊に手を伸ばす。
(これが「語てぃ遊ばぁなシマクトゥバ」です。)
「おっ、これはあまりむずかしくなくて、エッセイ調で読みやすいな。けど、
細かいことは書いていないなあ・・・。」
2冊を手に取り悩みました。で、結局選んだのが、以前にもお話しした、「・・
しまくとぅぱ」でした。
理由は、とりあえずさわりだけでも沖縄を理解したかったからです。
で、本を買い、さっそく目を通すための場所を探し始めました。
「そういえば、県庁のあたりに公園のような所があったな。あそこなら日陰も
ありそうだ。」
そう、そば屋のおばちゃんと、タクシーの運転手さんの言葉を思い出していたの
です。このとき午後2時過ぎ・・。
日中、炎天下で長時間作業なんかしてはいけない、と忠告を受けていたにもかか
わらず、実のところ、半信半疑でした。
(日陰で車を止め、何をするわけでもなく、じっとしている人をすでに何回も目に
していた − その理由をこのとき身をもって知ることになる)
どちらかというと暑さには強い私ですが、本屋から外に出たとたん、天空からの
強い放射を全身で感じていました。
まるで何かで頭のてっぺんを叩かれるように、光線の照射を感じます。(大げさ
に言っているのではありません。私の同僚は皆一様に同じ表現をしているのです)
いままでこんな強い太陽光線を感じたことはなかった。
そう思いながら歩いていると、なんだか目がチカチカする。日光がきついからな
ぁ。でも、なんだか目が痛いような感じもするし・・・。ただ歩いているだけなの
に全身からはものすごい勢いで汗が噴き出して止まらない。
「アレっ。どうしたんだろう。なんでこんなに汗が出るんだ?」
等と思っているうち、なんだか頭が重い。
「いかん。日射病の前兆だな。」
と直感した私は、できるだけ日陰の所を通り、なんとか県庁前の公園にたどり着き、
隠れるように日陰のベンチに座ったのです。
|