旅の話その8





 
    はいさい。

    暑い沖縄で、いきなり冷や汗をかいてしまいました。
    いや〜。びっくりしたなあ。さすが商売人だなあ。言葉の切り替えがうまい
   なあ、と一人感心しながら足を進めていったのです。(けど、どうして客まで
   標準語になったんだろう。まっ、いーさぁ。てーげーてーげー)

    まさしく市場の名にふさわしく、水産関係の店が続きます。商品を所狭しと
   陳列して、ちょっと通路が狭いんだなあ。

    と、前方から何やら言い争う声が・・・。
    足を止め、じっと様子を窺う。
    ふんふん、どうも商品の納入のことで、店員同士(おばさんとにーにー)で
   言い合いになっているようだ。まあ、いつもの風景だろうなあ、と思いつつ通
   り過ぎようと思ったんですが、でっかい荷物を通路の真ん中にでーんと置いて
   るもんだから、通れない!

    まいったなあ。でも、急ぐ旅でもあるまいし、少し様子を見てみようか。(^^)
    ウッシッシ。

    私は、言い争う店員の会話に聞き入っていたのです。
    おや、向かいの店から別のにーにーが出てきた。おっ、こちらをちらっと見
   たな。ほほう、3人で何か言っている。
    けど通路は相変わらず通れないな。(私は少し歩いて荷物の前で足を止める。
    しかし、集中しているのは当然3人の会話。)

    でも。。。

    なぜか標準語っぽいんですよ。うちなーぐちみたいだけど特有の言い回しも
   なく、何の変哲もない普通の会話です。

    「なんか変わったことを言わないかな〜。」
 
   と思って、その3人の方をちらっと見ていたのですが・・・。

    突然にーにーが、私を一瞥するやいなや、「パンパン」と柏手を打ったので
   す。
    すると、言い合いをしていた二人が会話をやめ、通路にいた一人は荷物を持
   ってそそくさと店の中に消えていく。おっ、にーにーがおばちゃんになんか言
   ったぞ。いったい何を言ったんだろう。 よく聞き取れなかった。
    すると、

    「はいいらっしゃい。安くしとくよ。」

   と、突然おばちゃんの売り文句。
    えっ! さっきまで言い合いをしていたのに・・・。
    だれに売り込んでいるんだ・・・。(周りを見渡す)
    げーっ、私しかいないじゃないか!

    (こりゃ絶対おかしいよ。)

    もう私の顔からは、愛想笑いなど消えていました。どうも沖縄独特の生活習
   慣、しきたりというものがあるようです。

    きつねにつままれたような面持ちでさらに足を進めたのですが、その先で、
   決定的なものを見聞きしてしまうのです。

  

(続く)



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最終更新日 2000.08.19