仕事を終わって、また宿舎にもんてきました。
熱い、とにかく熱い。遊びやったらともかく、地元の者でも怖がる太陽雨の
降いよる街での仕事はつらいです。
なかなか水平線に落ちぃへん、白おに光いよう太陽を眺めもって、わがの部
屋ぃ入ります。ほないしよぅうちに、日程変更の連絡が入ったんでした。
なんでも、当初予定されとった行事がキャンセルされて、ほれに伴のうて、
わいやの仕事も一部なくなってしもたっちゅうこってした。
はぁ〜、ほな、休みの日は丸一日宿舎で缶詰かいな、やて思いよったら、外
出OKっちゅうことですわ。
いやぁ、ラッキーでした。
前日思いついたことを実行できる、ほない思たんでした。
さっそく同僚と外出計画を練り始めます。
数日前に、たまたま乗ったタクシーの運転手さん(Tさん)から名刺もろと
ったんを思い出して、ほの話を持ち出したんです。もちろんみな話に乗ってき
ました。
格安の値段で、半日観光地巡りをしてくれるぅゆう話を聞いとったんで、早
速電話をかけてみたんです。
心配やったんは、Tさんに他の予定が入っとって、断られへんかっちゅう
ことやったんです。けど、ほんな心配は無用でした。なんも予定はないーゆう
ことで、さっそく一日貸し切りの予約を入れたんはいうまでもありまへん。あ
さっての午前10時ごろに、宿舎まで来てよー、って。
で、当日の朝、午前8時過ぎ。二度アポの電話をかけます。
実は、インターネットで調べよううち、うちなーんちゅは時間にルーズだか
ら、二度アポをしないとすんなりいかないよ、という話を見つけていたこと、
また、以前に沖縄旅行をしたことがある者も、似たようなことを言っていたの
です。
まあ、念押しの電話ですから、それとなく柔らかく押さえておいて、時間を
待ちます。
そして、待ちに待った、小旅行の時間です。宿舎の外に出ると、またいつも
のようにタクシーが長蛇の列。
その先頭に、見覚えのあるタクシーが止まっていました。Tさん、同業者
と談笑中。近づいてきた私たちに気づき、こちらへ歩いてきます。
私は、満身の笑みを浮かべて、
「はいさい、Tさんですか。おとつい電話したしんちゃんです。今日一日
よろしくお願いします。」
ところが、Tさん、なぜか5、6秒当惑したような表情で、絶句した後黙
り込み、苦笑いしながら、
「・・・・・・・・・・・・・・は?。・・いえ、こちらこそ。えーと、3
人ですね。とりあえず乗ってください。」
と、なんだか無愛想。
「あれ、まずい。Tさん、なんか機嫌がわるそうだな、大丈夫かなぁ。」
一抹の不安を抱きながら、タクシーは発進したのでした。
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